
カーテン館『窓』の社長さん達と、研修旅行に行ってきました。
観光はほとんどなしで、モリスゆかりの場所やロンドンのファブリックメーカーショールーム、工場の見学を主体に行きました。
モリスがもっと好きになりました。

ウィリアム・モリスゆかりの場所
英国内には、いくつものウィリアム・モリスゆかりの場所がありますが、代表的な場所に行ってきました。
ロンドン周辺
Victoria and Albert Museum
CromwellRoad
SouthKensington
London SW7 2RL

ロンドンのサウス・ケンジントンにあり、略称としてV&A美術館とも呼ばれています。
ここにはモリス商会がデザインを担当した、「グリーン・ダイニング・ルーム」があり、これはモリスが公式の仕事として、初めて受注したものだそうです。実際にはモリス自身の仕事と言うよりはフィリップ・ウェッブの力によるところが多いとの説を聞いたことがあります。2003年に訪問してきましたが、確かに暗い緑の色調の部屋で、所期のモリス商会の意気込みが伝わってくる、素晴らしい部屋でした。
また、英国美術のフロアにも、モリスのタペストリーや壁紙の展示もありましたし、モリスが唯一作成した油彩、「麗しのイゾウド」も、テート・ブリテンから借りてきて展示されていました。この油彩を見ると、モリスは油彩には才能はなかったことがよくわかります。^^; モデルは後にモリス夫人となったジェーン・バーデンですが、描いていいる最中に、「僕は君を上手に描くことができない。でも、愛しているんだ!」と行って求婚したという話が残っているそうです。また、西の壁には、ウィリアム・モリスの肖像彫像がはめ込められています。

モリスではお馴染みの柄の原画が、美術館に展示してました。モリスファンの1人としてこれは、かなり興奮しました。

モリス デザイナー室

モリス ウォールペーパー工場

左側はハンドプリントのペーパーに着色している様子です。1色ずつプリントするので、5色なら5回着色作業をします。
手作りならではの仕上がりは素晴らしいペーパーでした。
KelmscottHouse,
26UpperMall,
Hammersmith,
London W69TA, UK

現在は個人宅となっていますが、ウィリアム・モリス・ソサイアティの本部が置かれているコーチ・ハウスと地下は毎週木曜日と土曜日の午後2時から5時の間だけ、一般に公開されています。
1780年代に建てられた家で、当時は『隠れ家(The Retreat)』という名でしたが、1878年にウィリアム・モリス(WilliamMorris,1834-96)が入居し、『ケルムスコット・ハウス(KelmscottHouse)』と改められました。これは上記のマナーハウスにちなんだ名です。テムズ川沿いの2つの家を船で行き来できることをモリスは気に入っており、ここがモリスの終の棲家となりました。晩年、モリスは新たに印刷を手がけるようになり、『ケルムスコット・プレス(KelmscottPress)』をこの近くで立ち上げました。上記、右端の写真がその際に使われたアルビオン印刷機で、現在も稼動可能状態でケルムスコット・ハウスに展示されています。ロンドン西部のハマースミスの近くにあります。
WILLIAM MORRIS GALLERY
LLOYD PARK
FOREST ROAD
LONDON E17 4PP
Tel. 020 8527 3782
Fax. 020 8527 7070

ウィリアム・モリス・ギャラリーは、ロンドンの東北方向の郊外、ウォルサムストウ(Walthamstow)の町にあるギャラリーです。ウォルサムストウは、モリスが少年時代を過ごした場所で、彼はこの町に1848年から1856年まで住んでいました。このギャラリーになっている建物は、その昔はウォーター・ハウスと呼ばれ、モールバラのパブリックスクールをやめて帰ってきたモリスがしばらく住んでいた家です。モリスが幼年期・青年期を過ごした家はウォルサムストウに3軒あったのですが、現在残っているのは、このギャラリーしかないそうです。モリスの壁紙やタペストリー、ステンドグラス、ケルムスコットプレスから出版された美麗本などの数々興味深い物品が展示されていました。ちなみに入場料は無料で、寄付で成り立っているギャラリーです。
13,Red House Lane,
Bexleyheath,
Kent,
DA6 8JF

モリスが「モリス商会」を始めるきっかけになった建物です。モリスがジェーン・バーデンと結婚する際に建てた家で、設計はフィリップ・ウェッブ。ウェッブのみならずロセッティやバーン・ジョーンズなどもモリスに協力して装飾や家具作りを担当しました。ロンドン南東部のケント州ベクスリーヒースという村にあります。
長い間、ホランビーご夫妻の個人所有の住宅だったので一般公開はされておらず、ご夫妻に見学希望の意思を伝えて、了解を取ってから指定された日に見学することしかできなかったのですが、2003年になってナショナル・トラストがこのレッドハウスを購入したとのニュースを聞きました。見学してきましたが、とても美しいお屋敷でした。
また、モリスの壁紙のオリジナルプリントや壁紙をプリントするための版木などが展示されており、興味深かったです。
Standen,
East Grinstead,
RH194NE

スタンデンもウィリアム・モリスゆかりの邸宅です。より正確に言うならば、モリスの親友であり、モリス商会のなくてはならない有能建築家であり家具デザイナーであったフィリップ・ウェッブの代表的な建築で、1894年に完成しました。時代の流行にとらわれないどころか、時代に逆行するかのようにシンメトリーを放棄した自由な発想に基づいて作られたこの邸宅は、19世紀までの堅苦しい自由度のない設計の住宅から20世紀の自由で機能的な住宅プランニングへの架け橋となるものでした。スタンデンはサセックス州のイーストグリンステッドとターナーズ・ヒルの中間の丘陵地帯にあり、モリスやウェッブを中心としたアーツ・アンド・クラフツ運動の精華とも言うべき展示物も多く、見ごたえのある邸宅です。また、ここはナショナル・トラストの管理下にあります。
コッツウォルズ周辺
Kelmscott Manor,
Kelmscott,
Lechlade,
Glos.G173HJ

モリスの墓地
ケルムスコット・マナーはウィリアム・モリスのお気に入りの別荘でした。師匠にあたるラファエル前派の画家、ロセッティとの共同で手に入れた別荘ですが、モリスの妻ジェーンとロセッティの関係をめぐっていろいろなドラマがあった家としても有名になりました。場所はコッツウォルズの南東のはずれ、大学町オクスフォードの近くのケルムスコットという村にあります。マナー・ハウスの横にはテムズ川が流れており、モリスはこのテムズ川を船でロンドンと行き来をしていました。このケルムスコット・マナー、今はウィリアム・モリスの博物館になっており、毎週水曜日の公開日(夏季のみ)には、多くの人々がモリスの遺作を一目見ようとやってきます。水曜日にこの近くをまわるスケジュールを組んで、訪問してきましたが、さすがに「全館これモリス」という建物であり、大いに満足しました。また、その観光客に説明をする係りは、すべてボランティアの方々だというのにも感銘を受けました。また、すぐ近くには、モリスの生涯の友人、フィリップ・ウェッブの設計したメモリアル・コテッジという建物があり、その切妻には、ウェッブがデザインし、彼の弟子であるジョージ・ジャックが彫刻した「田園に憩うウィリアム・モリス」のレリーフを見ることができます。
ミドランド

英国ミドランド、バーミンガムの近くにある町、ウォルヴァーハンプトンにあるマナー・ハウスです。かつてここに住んでいた、マンダー・ファミリーがモリス商会に内装デザインを依頼した建物で、外観はハーフ・ティンバーの美しいチューダー・スタイルなのですが、中に入ると一転して、アーツ・アンド・クラフツ・スタイルの内装となります。モリス商会の壁紙や家具、ド・モーガンのタイルなどを見ることができます。ステンドグラスはモリス商製作のものとケンプのデザインのものがあり、まったく違うデザイン傾向なので、比較してみると面白いです。入場は20人程度のグループにまとめられ、指定された時間に見学をすることになります。指定時間まで間があるときは、併設のショップやガーデンを見学すると良いでしょう。この見学は、ガイドつきなのですが、そのガイドさんの説明が非常に詳しく、すべてを回るのに1時間は楽にかかります。現在はナショナル・トラストの管理下にあり、マナー・ハウスのみならず、そのガーデンもたくさんの訪問客を惹きつけています。夏の休日などには、あまりの訪問客の多さに、すぐに駐車場がいっぱいになってしまうこともあるようです。